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橋本行政書士事務所(交通事故サポートセンター)
脊柱及びその他の体幹骨の障害については、
①脊柱の変形障害
②脊柱の運動障害
③その他の体幹骨の変形障害
に分けられます。
脊柱のうち、頚椎(頚部)は主に頭部の支持機能を、胸腰椎(胸腰部)は体幹の支持機能を担っており、主な機能が異なっていることから、障害等級の認定に関しては、原則として頚椎と胸腰椎は異なる部位として別々に取り扱い、それぞれの部位ごとに等級を認定することとなっております。
脊椎は背骨、骨そのもののことで、椎骨と呼ばれる独特の形をした骨が、椎間板(ついかんばん)というクッションを間に挟んで積み上げられた状態になり、脊柱を構成しています。
脊椎と脊柱は、ほぼ同義語として使われることが多いですが、脊柱は背骨全体のこと指すのに対して、脊椎は主に背骨を構成する一つ一つの骨のことを指す、ということになります。
脊椎は上から頚椎(けいつい)7個、胸椎(きょうつい)12個、腰椎(ようつい)5個、さらに仙骨(せんこつ)と尾骨(びこつ)の合計26個の椎骨で構成されており、頭部・体幹を含む上半身を支えるとともに、頚椎や腰椎を中心として可動域を備えています。
脊柱を前方から見ると、頭部の荷重を支える頚椎が小さく、胸椎がその次で、上半身全体を支える腰椎は最も大きくなっています。胸椎は12本の肋骨とともに胸郭(きょうかく)を構成し、肺や心臓などの内臓を保護しています。
脊柱を横から見ると、頚椎と腰椎は前方に弓なりに湾曲して「生理的前彎(せいりてきぜんわん)」となっており、胸椎は後方に弓なりに湾曲して「生理的後彎(せいりてきこうわん)」となっていて、全体としてS字カーブを描くように弓なりとなっています。
脊柱の変形障害は、認定基準の説明に「脊椎の圧迫骨折等により・・・」と書かれております。
「脊椎の圧迫骨折等」とは、脊柱の圧迫骨折、破裂骨折、脱臼のことで、後遺障害のきっかけとなる外傷に、脊椎の圧迫骨折等があったことが必要な要件となります。
脊柱の変形障害ではこの他に「脊椎の固定術が行われたもの」も含まれます。
脊柱の変形障害は、下記の表のとおり3段階で判定されます。
6級5号 | 脊柱に著しい変形または運動障害を残すもの |
8級2号 | 脊柱に運動障害を残すもの(脊柱に中程度の変形を残すもの) |
11級7号 | 脊柱に変形を残すもの |
脊柱に著しい変形(または運動障害)を残すもの |
脊椎圧迫骨折等により2個以上の椎体の前方椎体高が著しく減少し,後彎が生じているもの
脊椎圧迫骨折等により1個以上の椎体の前方椎体高が減少し,後彎が生ずるとともに,コブ法による側彎度が50度以上となっているもの
脊柱に中程度の変形を残すもの |
2個以上の椎体の前方椎体高が減少し,後彎が生じているもの
コブ法による側彎度が50度以上あるもの
環椎又は軸椎の変形・固定により,次のいずれかに該当するもの
(1)60度以上の回旋位となっているもの
(2)50度以上の屈曲位又は60度以上の伸展位となっているもの
(3)側屈位となっており,エックス線写真等により,矯正位の頭蓋底分の両端を結んだ線と軸椎下面との平行線が交わる角度が30度以上の斜位となっていることが確認できるもの
脊柱に変形を残すもの |
脊椎圧迫骨折等を残しており、そのことがX線写真等により確認できるもの
脊椎固定術が行われたもの
3個以上の脊椎について、椎弓切除術等の椎弓形成術を受けたもの
脊柱の運動障害にも、認定基準の説明に「脊椎の圧迫骨折等により・・・」と書かれております。
「脊椎の圧迫骨折等」とは、脊柱の圧迫骨折、破裂骨折、脱臼のことで、後遺障害のきっかけとなる外傷に、脊椎の圧迫骨折等があったことが必要な要件となります。
6級5号 | 脊柱に著しい変形または運動障害を残すもの |
8級2号 | 脊柱に運動障害を残すもの |
脊柱に著しい(変形または)運動障害を残すもの |
頚椎および胸腰椎のそれぞれに脊椎圧迫骨折等が存在しており、そのことがX線等により確認できること
頚椎および胸腰椎のそれぞれに脊椎固定術が行われたこと
項背腰部軟部組織に明らかな器質的変化が認められるもの
脊柱に運動障害を残すもの |
頚椎又は胸腰椎にX線写真等により確認できる頚椎又は胸腰椎の脊椎圧迫骨折等を残し、これにより頚部又は胸腰部の可動域が参考可動域角度の1/2以下に制限されたもの
頚椎又は胸腰椎に脊椎固定術が行われ、これにより頚部又は胸腰部の可動域が参考可動域角度の1/2以下に制限されたもの
項背腰部軟部組織に明らかな器質的変化が認められ、これにより頚部又は胸腰部の可動域が参考可動域角度の1/2以下に制限されたもの
頭蓋・上位頚椎間に著しい異常可動性が生じたもの
チェック!! 後遺障害診断時の立証検査 【脊柱の運動障害(頚部の可動域測定)】
【脊柱の運動障害(胸腰部の可動域測定)】
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12級5号 | 鎖骨、胸骨、肋骨、肩甲骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの |
裸体となったとき、変形や欠損が明らかにわかる程度のものをいいます。
ですからX線写真で初めて発見できる程度のものはこれに該当しません。
ですが実際には、骨移植のために腸骨(骨盤骨の一部です)を採骨したものでも12級5号の認定を受けている事例がありますから、とにかく申請を行うようにしましょう。
また肋骨の変形は、その本数、程度、部位等に関係なく、肋骨全体を一括して一つの障害として取り扱うことになっています。
関連項目 |